常々備忘録

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【セブ島留学】一人でタクシー乗ったら命の危機を感じた話

昨晩フィリピンで睡眠薬強盗に遭いかけた話を記事にしたが、本日はその帰りでの出来事を書き綴っていく。

一人ショッピングセンターに訪れ、危険な目に遭いながらもノンストップで約5時間ひたすら歩き回り、久々の単独行動を思う存分満喫した新谷であったが...

 

滞在先には門限がある。明日は月曜日。そろそろ戻らなくては。

当然徒歩では帰れないため、タクシー待ちの列に並ぶ。家族連れやカップルに挟まれながら、そういえば自分は一人で来ていたんだっけ...とようやく危機感を取り戻し始める。

異国の地にオタクが一人。頼れるものは何もない。

すっかり日は暮れ、あたりは真っ暗。行きとはわけが違う。

大冒険の幕開けである。

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滞在先から見えるセブ島の夜景

 

ショッピングセンターにあるタクシー待ちエリアではナンバープレートのメモを控えるスタッフが待機しているので、悪質な運転手とは遭遇しにくい。そう、"しにくい"だけ。

"しない"保証はどこにもないのである。

 

一人タクシーに乗り込み、行き先を伝えた。

訝しげな表情で聞き返されたものの、再度説明し直すと、ひらめいたと言わんばかりの返事。見覚えのある道を走り始めた。

あぁよかった。なんとか帰れそうだ。

 

道もさほど混んでおらず、車はスムーズに移動し続ける。行きより早いうちに、滞在先周辺の景色が見え始めた。なんだなんともないじゃん!

...とまぁ、なんともないのならばここで記事を書いてない。

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 スーパーで見つけた激ダサTシャツでワンクッション

 

滞在先は少し奥まった道の奥にある。目印は、その手前のバーベキューレストラン。ここの名前を言えば、ほとんどの運転手は迷うことなく車を走らせてくれる。

見えてきた目印。安堵する新谷。通り過ぎるタクシー。

通り過ぎるタクシー。

 

この運転手は回り道をしようとしているのか?どこかに抜け道があるのか?

 

なぜこんな間抜けなことを考えたのであろうか。あの場で止まれ、と一声あげるのは決して難しいことではなかった。

やってしまった。この運転手は何か良からぬことを考えているに違いない。

自分の把握できる範囲を抜けたところで、止まらない冷や汗を隠し切れぬまま片言の英語を紡ぐ。

 

「あの、アナタ場所わかってる?私見てたけど、もう通り過ぎちゃったよ」

 

怪訝な表情をする運転手。

おもむろに道路の脇に車を停めると、突然電話をし始めた。

待て待て、これマジでやばいやつじゃん。逃げなきゃ。

再び車が動き始めるのは、危機感が振り切れるより早かった。まずいまずい。

こんなところで死ぬわけにはいかない。

 

運転手が窓ガラスを開け始めた。その向こうにはバイクタクシーのそばに立つ青年。

なるほど、私はあれで連れてかれるわけか。

焦燥で朦朧とする意識の中、彼らの会話に耳を傾けた。

 

 

「電話ごめん!あーあのさ、○○(レストラン名)ってどこ?」

「○○?今来てた道の真反対だよ。このまま引き返せば行ける」

「真反対?そうだったのか!ありがとう!」

「そこの道でUターンするといいよ!」

 

 

ん?

こ、この人...単純に場所知らなかったただけ!?

会話を終えた運転手は何事もなかったかのように元来た道を引き返し、滞在先の目の前まで車を走らせた。

迷った分若干料金は高くなったものの、さほど差額は生じなかった。おぼつかない英語での値下げ交渉もあっさり了承され、建物に入って行く様子を見送られたのち移動は終了した。

 

 以上が一人タクシー移動の一部始終である。

結論:死ぬ覚悟をしたが死なずに済んだ

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緊迫感たっぷりでお届けしたので、心温まる遊具で再びワンクッション

 

結局あのタクシーの運転手が純粋に道を間違えたのか、うまい具合に演技をして少しでも多く稼ごうとしていたのか、はたまたそれ以上の企みがあったのかはわからない。

実害を受けていないにしても、なんにせよ数時間で記事をまるごと2つ書けるほどの出来事に遭遇しているのだから、単独行動が危険という事実は揺るがない。

 

心臓に悪い冒険はもうお腹いっぱいである。

ぼっち時間は日本に帰るまでのお楽しみとして大事に取っておくことにした。